12月21日 江東区襲撃問題についての話し合い報告

少年による野宿者襲撃。
無防備で無抵抗な人間に対し、「ストレス解消」「ゲーム感覚」で暴行を加える行為は、卑劣で恐ろしいものです。また、野宿者に対する偏見、差別意識が浮き彫りとなっていると言えます。

江東区内では、そのような野宿者襲撃が他区に比べても多発しています。12月11日には、大島小松川公園で野宿する男性が深夜、小中学生により暴行を受け、肋骨を折る重傷を負う事件が起きました。このような事件を二度と起こさないようにするためには、野宿者及び野宿を生み出す社会的背景に対する正しい理解が必要です。

しかしこの日(12月21日)、11日の事件を受けての話し合いの場で、江東区水辺と緑の課、人権推進課、教育委員会の三者は驚くべき回答を行いました.。


これまで野宿者襲撃問題にどんな対応を行って来たのかという質問に対し、水辺と緑の課は、「野宿者が公園内で酒を飲んだり、排泄行為をするという区民からの苦情がある。また、暴力をふるったという匿名の情報がある。区民が不安に思いテントを撤去してほしいという要望がある。これに対しては、テントをゼロにしますと答えている。」

江東区のホームページで区民の意見と区の回答として「区役所にホームレスがいて、臭く不快だ」→「外へ退去も含め対応する」といった、極めて差別的な問答が公開されていることについて、人権推進課は、「これが差別を助長するかどうか判断できない」

人権推進課「昨年ホームレス問題の講演会を行って人権啓発活動をしている。」
こちら「昨年度江東区内の襲撃の事例について被害者がら聞き取りをしたリストを渡したが引き継がれているか?」
人権推進課「記録にない。」
こちら「リストはどうなったのか?」
人権推進課「わからない。」

教育委員会「改めて今後も人権教育を徹底していきたい。来年度ホームレス問題を取り上げた教員研修を行う。」
こちら「前回11月16日の話し合いで、警察ざたにならなければ襲撃の事実を認められないと言った。大怪我をしてからでは遅い。被害者からの報告では事実認定しないのか?」
教育委員会「学校か警察からの報告でないと事実として認められない。」

追い出し問題について
水辺と緑の課「追い出しではない。移動をお願いしているだけ。」
人権推進課「所管のほうで法に則ってやっていると聞いている。」
こちら「法とは?」
人権推進課「都市公園法」
こちら「強制立ち退きを禁じる国際人権規約に照らしては?」
人権推進課「…」
こちら「水辺と緑の課長がヤクザまがいの脅しをして野宿者を移動させた経緯は知っているのか?」
人権推進課「説明をやったというふうに聞いています。」
こちら「深夜ガードマンを巡回させてベンチで寝ている人を起こして「ここは寝る場所じゃない。」とやっていることについてはどうなのか?それを見た子どもはどう思うのか?」
水辺と緑の課「以後注意します。」

痛ましい事件を繰り返しながら、差別意識を植え付ける水辺と緑の課、「人権課題である」といいながら差別構造を放置する人権推進課と教育委員会。江東区の人権意識はいったいどうなっているのでしょうか。

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  • 野宿労働者への襲撃事件に思う

    Excerpt: 山谷労働者福祉会館のブログで知ったが、東京の江東区で昨年の12月11日、公園で野宿していた労働者が深夜子供たちから暴行を受け、肋骨を折る重傷を負うという重大な事件が発生した。犯人の子供たちは年長でも中.. Weblog: ブログ「旗旗」 racked: 2012-01-12 03:54